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野良猫にエサを与える事 […Others]

昨年全国で一年間に保健所で殺処分された野良猫の数は約30万匹。
その他にも交通事故や病気で命を落とす野良猫も、相当な数だろう。
我々人間が野良猫を可愛がるという行為の影に、毎年これだけ多くの
猫の命が人間の手によって奪われているのである。
 
保健所に持ち込まれる猫のうち、約8割は子猫。つまり、殺処分され
る野良猫のほとんどは子猫というのが現状。
持ち込まれる子猫の状態を見ても、極度の栄養失調や寄生虫などによ
る病気で、目も当てられないほど衰弱している子猫が数多く見られる
と言う。
では、そんな子猫たちは一体どこからやって来るのか?
…もちろん野良猫の親元からである。(あたりまえだが…)
その親猫が、不幸になるべくして生まれてくる子猫を、たくさん産み
続ける環境。それを助長しているのは人間達である事をまず認識しな
ければならない。
 
雌猫は年間2〜3回出産して、一度に5匹前後の子供を産む。
近くの公園に現れる数匹の野良猫にエサを与え続けていたら、一年で
数十匹になってしまった!…なんて、当たり前の話である。
結局、そうして手に負えなくなった子猫達が、保健所に持ち込まれる
ケースが非常に多いのである。
正直、野良猫に衝動的にエサを与えたくなる気持ちは、多くの人にあ
るだろう。ただ、問題なのは、野良猫に「エサを与える」事に対して
「責任」を持てるかどうかと言う事。
野良猫にエサを与えた時点で、それは「飼い猫」と同じである。
当然エサを与えている人は「飼主」として、その猫の命に対して、す
べての責任を負わなければならない。
気の向いた時だけエサを与えるなんて無責任。猫はいつまでもエサを
待ち続ける。そうして餓死する子猫だっているのだ。
 
最近は、地域住民で野良猫を管理する(餌やりやしつけ、去勢・避妊
手術を行う)いわゆる「地域猫」と呼ばれる猫のあり方も見られる。
そう言った地域活動なしに、ただ単に「可哀想だから…」と、餌を与
え続けるだけの行為は、そこから更に可哀想な猫が生まれ、連鎖的に
その数を増やし、より悲惨な結果を招く事を理解しなければならない。

野良猫は野良と言っても野生の動物ではない。野外で暮らしていても、
家猫同様、誰かのペットとしてしか存在できないのだ。
だから飼主でもない(なる気もない)のに、無闇やたらと野良猫に餌
を与えてはいけない。
それは、これ以上、可哀想な野良猫(飼主がいない→殺処分される猫)
を増やさないための最低限のルールである。
 
kuro.jpg
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コメント 4

yoriko

おはようございます^^
家の近くにも置き餌があるところに
野良猫が群がってて
いつも誰があげてるのかな??と
不思議に思ってます。
責任は持たないとと私も思います。
それにしても30万匹とは驚きです><
by yoriko (2009-02-20 07:41) 

Bono

そうですね、30万匹…
自分がこうして野良猫の写真を撮っている背景には、
それだけの命が、単なる人間のエゴで奪われていると
思うと複雑な気持ちになります。
自分は野良猫がカワイイから写真を撮る。
でもそれはカワイイからエサを与える事と気持ちは
同じだと思うから…。

by Bono (2009-02-20 21:52) 

uko

わたしがBonoさんの野良猫の写真が大好きなのは、
自由にたくましく、のびのびと生きている姿が写されているからなんですが、
撮っているBonoさんご自身は、矛盾を抱えながら、憂いでいたんですね。

我が家では、猫を3匹飼っています。元々は拾ってきた野良猫が生んだ
子供達です。 生まれた時に獣医さんと相談して、我が家と周囲の交通
状況から、外に出さず、家猫にすることに決心しました。 
生後7ヶ月で去勢しました。
猫から外へでる自由を奪い、動物の最も大切な生殖本能を奪い、そうして
飼っていくのって、なんだかなー、人間の、、、というか自分のエゴだなー
と思い続けながらも、3匹は13歳になり、家の中で走り回り、昼寝し、のんきに
暮らしています。 勝手にこういう生活を与えたからには、
平和に家の中で死なせることが、わたしの義務なんですよね。
だからなんでしょうか、Bonoさんの写真には、うちの猫達の、Another Life
が映し出されている気がするんですかね。

長くなってごめんなさい。


by uko (2009-06-21 21:36) 

Bono

>ukoさん
コメントして下さった事に気付くのが遅れて
申し訳ございません。(^ ^;)ゞ

やはり考え始めると色々ときりが無いのですが…w
野良猫や飼猫達は人間の社会の中に最も適応させられた動物と言えます。
でもそれはもう太古の昔、クレオパトラの時代?から続いている事で
逆に猫たちは人間に飼われて生きて行く事を選択した動物と言えるかも
知れません。
だから、人間に色々な自由を奪われても、人間の社会の中で生き続ける
事は彼らの本能だとも思います。
それが人間の都合の良い解釈(エゴ)と言われればそれまでですが…。

ただ、おっしゃるように、人間の社会の中で、人間の手によって生かさ
れた動物たちの命は、人間が最後まで管理しなければいけない義務があ
ると思います。
それは野生の生態系への影響を含めて重要な事でしょう。
だから、ukoさんのように、しっかりと責任意識のある人にしか動物を
飼う資格はないのだと思います。

by Bono (2009-07-05 11:14) 

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